2/5院内集会「みんなの国立女性教育会館を壊さないで! 」にて、政府に宛てた要請文が、集会参加者一同によって採択されました。
内閣総理大臣 石破茂様
内閣府特命担当大臣 三原じゅん子様
文部科学大臣 阿部俊子様
国立女性教育会館理事長 萩原なつ子様
国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の撤去・廃止に反対する要請
(2025年2月5日)
国立女性教育会館(以下「ヌエック」)は女性教育の振興を目的に研修、交流、情報、調査研究 などの機能をもつ国内唯一の施設として 1977 年、埼玉県嵐山町に設立されました。定員約 350 人の宿泊棟、並びに、1500 人が利用できる研修棟があり、国際会議対応の大会議室、 貴重な女性アーカイブセンター、図書資料約 15 万冊の女性教育情報センター等を擁する価値 ある施設です。
ヌエックの各種事業の中でも男女共同参画推進フォーラム等の開催を通じては、全国から地 域の女性団体・研究者を含む市民が多数参加し、活動成果を報告し交流し合い、豊富な実績を 重ねています。宿泊・対面ならではの生の意見交換・情報交流等が女性をエンパワーし、連帯感 を生み、全国各地で活動する女性たちやネットワークを育ててきました。
2024 年7月 30 日、政府は、「内閣府」、「文部科学省」、「国立女性教育会館」、三府・省・法 人名で、「独立行政法人国立女性教育会館の機能強化による男女共同参画の中核的組織の整 備に向けて」を公表し、「老朽化した宿泊棟、研修棟、体育施設等の施設については、令和 12 年度までを目途に撤去すべく、新法人設立後速やかに関連工事に着手」を目指すとしました。 この「新法人」に該当する「独立行政法人男女共同参画機構法案(仮称)」とその関係法案が、3 月中旬にも今国会に提出されようという局面です。施設、すなわち、建物が壊されたら取り返 しがつきません。
既にヌエックのホームページではこの 4 月 1 日以降の宿泊施設の利用提供は行わない旨が 昨年から掲示されています。施設廃止は、事実上の機能縮小です。これまで各地で男女共同参 画関連施設が縮小、後退、閉鎖に追い込まれています。ヌエックの研修棟・宿泊棟撤去を含む可 能性のある法案成立はこの動きに拍車をかけることにもなりかねません。
女性、性的マイノリティ、車いすユーザーなどを含む、多様な人々が安心して学習・宿泊でき る貴重な施設として、ヌエックは今の日本では必要です。災害時の避難・救援拠点、女性支援新 法への対応などヌエックの今後の利活用に目を向けてよいのではないでしょうか。安全・安心 な環境での宿泊学習の場がなくなることに既に女性利用者からも不安の声が上がっています。
一方、ヌエックの研修棟・宿泊棟の撤去・廃止という重大問題は広く周知されておらずジェン ダー・女性学研究者、女性団体の間ですら「初耳」という声が少なくありません。多くの利用者・ 潜在的利用者の声を聞かずに進められてきたこの計画に対し私たちは危惧を覚えます。
私たちは、内閣総理大臣を筆頭に、「内閣府」、「文科省」、「国立女性教育会館」、三府・省・法 人の長に宛てて、ヌエック研修棟・宿泊棟の存続・更新を、ここに要請することとします。
国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク(通称ヌエネット)
「みんなの国立女性教育会館を壊さないで!―研修棟、宿泊棟は存続を」参加者一同