国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク
(通称ヌエネット)
2025年4月 9日
国立女性教育会館(ヌエック)は、本館を除く研修施設、宿泊施設等が撤去され消滅する危機にあります。施設=建物が壊されたら取り返しがつきません。この計画は政府の男女共同参画推進の「機能強化」の名の下で、国民への周知も、国会での審議も、正当な手続きも踏まずに進められようとしています。
3月31日(月)をもって、国立女性教育会館(ヌエック)宿泊棟、レストランの利用はできなくなり、1977年に始まる、「泊まって、食卓を共にし、学び合う」社会教育の権利が市民から奪われる事態となりました。さらに、3月24日付で、研修棟、宿泊棟、体育施設等の撤去を前提とする「整備準備事業」である、「国立女性教育会館整備コンストラクション・マネジメント業務委託」の公募※1が公告されました。
この「整備準備事業」は、『令和6年度文部科学省関係補正予算案事業別資料集』p. 135※2に相応するもので、その予算執行の正当性は、昨年末臨時国会(第216国会(2024年11〜12月))において、令和6年度補正予算案として「一括して」国会で承認されています。ところが、この「一括承認」には、文部科学省補正予算案も含まれており、国会議事録には今般の「整備準備事業」が実質的に審議された記録がありません。またこの事業の正当性は、2024年7月30日文書「独立行政法人国立女性教育会館の機能強化による男女共同参画の中核的組織の整備に向けて」※3に基づくものですが、この内容も国会の場で審議された形跡はありません。
「独立行政法人男女共同参画機構法案」※4は、その内容の正当性、並びに、決定手続きの正当性について問題があるにもかかわらず、3月14日(金)閣議決定され、3月31日(月)の新年度当初予算案成立を受けて、いよいよ衆参両院内閣委員会で具体的な審議が始まる局面に至っています。
私達は、ヌエックをめぐる一連の決定の当否が糾されるように、政府、行政、国会のみならず、女性教育を担ってきた当事者、さらには、国立女性教育会館の歴史を担ってきたすべてのひとびとに、引き続きはたらきかけて参ります。そして、研修棟、宿泊棟、体育施設等の存続を求め、できるかぎり速やかに、宿泊棟、レストランの再開を求めます。
※1「国立女性教育会館整備コンストラクション・マネジメント業務委託」公募
https://www.nwec.go.jp/about/procure/ndpk5s00000004qz-att/kouji.pdf
※2『令和6年度文部科学省関係補正予算案事業別資料集』p. 135
https://www.mext.go.jp/content/20241129-ope_dev02-000031627_2.pdf
※32024年7月30日文書「独立行政法人国立女性教育会館の機能強化による男女共同参画の中核的組織の整備に向けて」
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/wg-nwec/pdf/honbun.pdf
※4「独立行政法人男女共同参画機構法案」
https://www.cao.go.jp/houan/217/index.html
【ヌエネットスタッフ】
瀧章次 吉田恵子 瀧さをり 杉山碧 松井奈穂 橋本弥寿子
西山千恵子 さねふじ政子 酒本絵梨子
連絡先:nwenet.forum*gmail.com(*を@に変換)
連絡担当:瀧章次