私たち、国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク/ヌエネットは、第27回参議院議員選挙において、複数の政党や候補者が掲げる排外主義・新自由主義的で不寛容な主張に危機感を表明します。
ヌエネットは、国立女性教育会館(ヌエック)の施設存続を求めて活動するなかで、現在、政府が進めている改革の判断が、新自由主義的な基準に偏っていることを、具体的に知ることになりました。それは、日本が民主主義社会を目指す過程で蓄積してきた、社会教育にかかわる数々の貴重な知見や文化的価値をまったく顧みることなく、金銭的価値のみによって、社会のあり方が決められているということを意味します。
そのもとで、社会全体に寛容さが失われ、生活のなかで感じる不安や苦しさを、互いに助け合うのではなく、「犯人探し」をする風潮が生まれています。本来は「責任者」すなわち為政者に向けられるべき視線が逸らされているのではないでしょうか。
第27回参院選では、複数の政党がその風潮を利用し、「外国人問題」「日本を守る」などのワードを使って、社会不安の原因が「外国人」にあるかのような主張を掲げています。それは、一見わかりやすく魅力的に見えるかもしれません。しかし、何かを排除することによって力を得ようとする勢力は、ひとたび力を握れば、その対象を限りなく広げていきます。そして、矛先を向けられるかもしれないという恐怖で人々を支配しようとします。当然ですが、その支配は、票を投じた人々にも及びます。
排外主義で不安は解消しません。政治や社会制度の問題は、誰かを差別したり追放したりすることで解決されません。そのような主張をするのは、人々の不安な気持ちにつけこんで、注目を集めようとしているにすぎません。
ヌエネットは、排外主義的な主張を掲げる政党や候補者、およびその根源となっている新自由主義に反対の立場を表明します。