ヌエネットメンバーで参議院内閣委員会を傍聴いたしました。残念ながら、 独立行政法人男女共同参画機構法案は、れいわ、共産党、 維新の反対に対して、賛成多数で可決されました。
質疑では、宿泊棟、 研修棟取り壊しに言及する2024年7月30日文書、 男女共同参画会議WG2023年4月報告書、さらには、 民主党政権下の2012年大日向座長報告について、法案を正当化する重要な論拠として行政側や議員側から提起されて 議論が進むものでした。私たちが繰り返し問うてきた、ヌエック施設撤去の合意内容や決定過程の問題が問われることはなく、残念でした。
また、利用者や地域住民の声を聴く機会や、地元である嵐山町および埼玉県との協議を行ってきたと、内閣府男女共同参画局岡田恵子局長により提示されていましたが、実質の点で疑わしいものであるにもかかわらず、指摘されることはありませんでした。
井上哲士議員(共産党)は、 国立女性教育会館の問題が、社会教育の問題であり、 人間の権利の問題であることを明確に論じてくださいました。重要な点ですが、ほかの議員の質疑は、女性教育を単に学校教育上の機会の平等ととらえる、産業界の要請に応じてIT人材を増やすことを目的とする、宿泊研修をひとり親どうしのマッチングの場と想定するなど、理解が感じられませんでした。維新はすぐにも施設撤去をするべき、採算が取れない施設はもっと前に廃止すべきだったという主張でした。
可決後の附帯決議案では、立憲民主党、 石垣のり子議員が会派内および委員会内での努力してくださり、「 女性差別撤廃条約に則り」の文言が加えられました。衆議院段階の附帯決議案よりはよかったと思っています。
本日、参議院本会議で法案が成立し、 国立女性教育会館/ヌエックの名はいずれ消えていくことになるかと思います 。ただし、附帯決議には、ゆくゆく「見直し」が行われるときは機構の存在も問い直されることが含まれており、これが採択されたことで、消えるのはヌエックだけでは済まないのでは、という懸念があります。ヌエック施設を利用者の声も聞かず撤去する国の意向に対し、男女共同参画推進にはオンライン講座で事足れりとして、自分の身を守ったつもりの独法理事は、自らの判断の結果を直視すべきでしょう。
傍聴後、 会の活動でこれまで訪問したりアクセスしてきた議員を訪ねました 。福島みずほ議員、井上哲士議員、石垣のりこ議員秘書、 木戸口英司議員秘書にお会いする機会が得られ、 ここまでの会の活動、 特に本日の質疑に臨んでの最終的なやりとりにおいてご対応いただ いたことに感謝を申し上げました。