衆議院文部科学委員会で竹内千春議員質疑「国立女性教育会館の宿泊施設、研修施設の撤去に関して」

2/5院内集会に参加、発言してくださった竹内千春衆議院議員が、3/12の文部科学委員会でヌエックの施設撤去について質疑を行い、政府が利用者や国民一般への周知や説明をしないまま進めようとしていることを指摘し、再考を求めました。

[動画]3/12衆議院文部科学委員会で竹内千春議員質疑(衆議院インターネット審議中継)

国会質疑情報:2025年3月12日(水)
質疑者:衆議院議員埼玉選出 竹内 千春 氏
委員会:文部科学委員会において阿部俊子文部科学大臣に対して質疑を行う

竹内)
独立行政法人国立女性教育会館の宿泊棟研修棟の撤去に関する問題についてお伺いさせていただきます。
この国立女性教育会館、通称ヌエックって呼ばれていますが、昭和52年、今から48年前に国が埼玉県比企郡の嵐山町に国立婦人教育会館として設置。その後平成13年に独立行政法人に移行しました。日本唯一の女性教育に関するナショナルセンターとして、女性教育の振興を図ってきた。
定員約350名の宿泊と1500名が利用できる研修等があって、全国から女性団体研究者を含む多くの市民が参加して交流し合って、豊富な実績を重ねてきたと。宿泊対面ならではの生の意見交換、情報交換が女性をエンパワーし、連帯感を生み、全国各地で活動する女性たちのネットワークを育ててきたと言われています。
今、世界各国の男女格差を示すジェンダーギャップ指数、先進国の中で、日本はずっと最下位レベルのポジションにあると、そういう常態化した日本においては、特にこのジェンダー教育は促進こそすべきであって、これを後退させるようなことは、私は避けるべきではないかと考えます。
特にこの施設、先ほど申し上げた嵐山町にありますか、都市部から離れたこの嵐山町という場所に設置されている。これ石破総理が重視する地方創生の意味からも、存在の意味は大きいのじゃないかと思ってます。
仮にこのような施設を撤去するようなことがあれば、少なくとも時間をかけて、利用者の方たちに丁寧に説明を行って、幅広く利用者の声を聞くことが意思決定の過程では必要不可欠ではないかというふうに思っています。
しかしこのヌエックについてですね、去年の7月30日に、政府は内閣府、文部科学省、そして国立女性教育会館この3府省法人名で、老朽化した宿泊棟研修棟、体育施設などの施設については、令和12年度までをめどに撤去すべく、新法人設立後速やかに関連工事に着手するという文書を出して、この新法人に該当する独立行政法人男女共同参画機構の関連法案が今週の金曜日に閣議決定をされようとしているというふうに聞いてます。
これに対して、利用者、本施設をずっと利用してきた方たちは、女性や性的マイノリティ、車いすユーザーなどを含む多様な人々が安心して学習宿泊できる貴重な施設が、この日本では今でもこれからも必要だ、というような声だったり、東日本の大震災のときには避難所として使われたり、また女性支援新法への対応を検討する拠点としても利用してきたもので、安全安心な環境での宿泊研修場所をなくさないでほしいという声、また、ヌエック研修棟宿泊棟の撤去廃止というのは重大な問題なのに、あまり広く周知されておらず、ジェンダー・女性学研究者、そして女性団体の間でも初耳というような声が聞かれてきている状況があります。
そこで、大臣にお伺いします。
本施設が今後どう扱われるのか、また利用者から施設の扱いについて、どのように意見を聞いてきたのか、そういう経緯があったのかをお伺いをしたいと思いますが、資料1を御覧いただきたいと思います。
ちょっと細かく書いていますが、これは、ヌエックの宿泊等研修等の撤去が公開されるまでの主な事項、知り得た事項を挙げてみました。この問題に関しては、例えば、令和6年の2月16日の衆議院の内閣委員会で塩川委員が質問をされていたり、また本委員会でも6年3月13日に坂本委員が質疑をされていたり、また3月同じ時期に福島みずほ議員が3質疑をされていて、この施設のあり方を聞いているときに、内閣府とともに丁寧に検討を進めてまいりますっていうような質疑があってですね、令和6年3月7日の男女共同参画推進連携会議のときには、この2枚目にお配りした資料2というのが、そのときの会議で配られた配布資料の一部なんですけど、主に寄せられるご心配の声についてというところで、例えば、そのヌエックの研修はオンラインだけにする考えでしょうかっていうことに対して、対面研修も重要ですというふうに答えてあったりとか、地元の声を聞きながら丁寧に調整を進めていきますというようなことが記されている。
同じようなことが6月11日の資料にも出てくるところが、先ほど申し上げたように7月30日には、もうこの宿泊棟研修棟は撤去するということ、そしてこの同じ日に、この4月1日から宿泊は取れないというような状況が、ホームページ上でも発表がされていると、この経緯だけを見ると、なんと突然に撤去決まりましたっていうのが発表がされているように見えてですね、どこで意思決定がされて、そして当事者、利用者ですね、一般の利用者に幅広く意見を聞く機会があったのか、そこが見えてこないので、その点について、もう時間もないので2点、まとめてお伺いさせてください。
この宿泊等研修等が今後どう取り扱われるのか、そしてその意思決定の過程に、当事者といいますか一般に利用されてきた方たちの声を聞く、そういう機会があったのかについてお伺いをさせてください。

阿部)
委員にお答えさせていただきます。
必要があれば政府参考人から詳細はお答えさせていただきますが、このヌエック国立女性教育会館の施設のあり方につきましては、委員ご存じのように、令和6年3月および令和7年2月に、男女共同参画推進連携会議が開催いたしました。
一般の方々も自由に参加できる情報および意見の交換を図る会合でご説明をさせていただきまして、質疑応答を行わせていただきました。
このとき、実はご意見を全部で9件いただいたのでございますが、そのうち施設廃止に関するご意見と質問は3件ございまして、施設廃止に反対するご意見が1件でございました。
また施設の廃止に反対する方々のお声も承知しているところでございまして、担当者からは施設の廃止に反対する方々の要望書、署名を受け取らせていただくとともに、実は対面で5回の意見交換も行わせていただいたというふうに聞いているところでございます。まずは、令和5年の12月18日、令和6年の2月7日4月10日、8月7日、11月27日の5回でございますが、この施設のあり方につきまして様々なご意見があると思うと承知しておりまして、引き続き政府の考え方にご理解をいただくべく丁寧な説明を尽くしてまいりたいというふうに思います。

竹内)
はい、ありがとうございます。
今、利用者にそういう説明する機会があったのかっていうことは、この質疑に当たる前にもお話を伺っていて、今の大臣がお答えになった5回に関しての資料も私はいただいてます。
ただこれは、施設廃止に反対する方たちとの面会であって、一般の、施設がなくなるかどうかもまだわかってない方たちの、もしかしたらアクセスはあったかもしれないけどそれは周知されてますかっていう答えにも、明確な回答はもらっていないと思います。
しかもおっしゃられたその令和6年の4月から8月ですけど、これ6月から7月の間には一度もそういう機会は入ってもいないという状況で。いずれにしても私は、このときにやりましたというより、今現実に多くの方たちが、自分たちの声がきちんと聞かれていない。そして今でも残してほしいという方たちが存在することは確かなんですね。
私がお願いをしたいのは今、奇しくも今、高額医療費制度ですかね。あれも、衆議院を通過して、参議院の方に行きましたけど、やはりがん患者の当事者の方たちの声がきちっと聞かれていないということで、もう一度見直そうと上限額の引き上げを見直して、今、衆議院の方でもう一度修正案を審議しようという流れがありますけど、今、どこか見えないところで、もしかしてそれは一般の方たちもアクセスはあったかもしれないけど広く周知されないところで何かが決まっていって、本当にそれで利害を被る方たちの意見を聞く体制になっていないのが今の政府の姿勢のようにも思われます。今回もしこの法案が通っても、この施設の撤去に関してはそれがそのまま撤去されることが決まるわけではないというふうに私は理解しております。それは正しいでしょうか。もしそうであれば、これからでも、その当事者の方たち利用者の方たちから、ぜひ意見を聞いていただきたいと思っています。

森総合教育政策局長)
お答え申し上げます。今お話ありました、ヌエックでございます。
ヌエック全体が移転するわけではなくて、ヌエックの本部機能は集約する形で残します。
その上で今ご指摘のありました宿泊棟や研修等、高齢の老朽化や安全性、またDX時代における新たな研修の手法、こういった様々な観点からこの見直しが必要になっているという事実がございます。
今お話ありました宿泊棟研修棟体育施設、こういった施設につきましては現在のところ令和12年度までを目途に撤去すべく、新法人設立後速やかに関連工事に着手することを目指しておりますが、ご指摘もありました様々な方面への周知については引き続き努めてまいりたいと思います。

竹内)
はい、ありがとうございます。決定が先にありきではなくって、利用されてる方たちの意見を聞いて、そして丁寧なコミュニケーションをとりながら、意思決定をしていただきたいと思います。